寺谷古墳群
遺跡見学会を開催しました

 9月18日(土)、寺谷古墳群の遺跡見学会を開催しました。
 市原市下野には寺谷古墳群という遺跡があり、現在、3基の古墳の発掘調査を行っています。
 この発掘現場を、市民のみなさまに見学していただきました。
 当日は午前9:30と11:30の2回にわたり、遺跡の説明会を行いました。さらに現場のテントでも、発掘された貴重な資料の展示を行いました。
 現地は交通アクセスが悪く、駐車場も無いため、史跡上総国分尼寺跡展示館からバスの送迎となりましたが、158名もの方々にご来場いただき、大いに盛り上げることができました。
寺谷古墳群について
 市原市潤井戸地区には、全長45m前後の中規模の前方後円墳を盟主墓とする、大小の古墳群がいくつか知られています。
 寺谷古墳群は、本泰寺境内の前方後円墳(1号墳・全長43.9m)を盟主墓とし、古墳時代後期から終末期にかけて造られました。
 2号・3号・4号墳が発掘調査地区内にあり、今回の見学対象になりました。
 発掘調査の結果、これまで円墳とされてきた2号墳が帆立貝式の前方後円墳だったことなど、貴重な発見がありました。
 今後、整理作業を行うなかで、村田川南岸にあたる潤井戸地区の古墳時代後期から終末期にかけての様相が、少しずつわかってくると思います。
寺谷古墳群測量図
見学会場の古墳
現場見学会受付 受付開始
 交通事情から、徒歩・自転車で来れる方は直接会場に、
 車を利用される方は別の場所に集合していただき、それぞれ受け付けを行いました。
 左の写真は会場の受付で、説明会の始まる30分以上前から、多くの方でにぎわいました。
埋蔵文化財調査センター現場見学会  会場に見える方々。
 ご近所にお住まいの方が多く参加されたことは、発掘調査の重要性をご理解いただく上で、大変有意義だったと思います。
埋文センター現場見学会駐車場  会場への交通アクセスが良くないため、車などをご利用の方は、史跡上総国分尼寺跡展示館からバスで会場まで送迎しました。
 市役所の駐車場を開放。
発掘現場見学送迎バス  バス2台で送迎。
 尼寺展示館から20分かけて会場に到着。
現場見学会場に向かう  バス組と現地集合組が合流すると、大人数に。
 天気も良く、期待がふくらみます。
 さっそく調査地区に向かう参加者たち。
寺谷古墳群現場見学会  市道建設工事に先行する調査なので、調査区は細長くのび、手前から4号・3号・2号墳の順に見学しました。
 調査区入口で全体的な説明。
寺谷4号墳断面  まずは4号墳。
 すでに調査は終了していますが、まっぷたつになった墳丘が観察できます。
 古墳の造りかたも見えてきます。
寺谷3号墳  次は3号墳。
 墳頂付近から2基の埋葬施設が発見されています。
 それぞれから直刀が出土しました。
寺谷3号墳の墳丘  直刀の出土状況について説明。
 一番興味のわくところのようで、皆様真剣です。
寺谷3号墳の主体部を観察する  埋葬施設の痕跡も、間近に観察していただきました。
寺谷2号墳  いよいよ帆立貝式の前方後円墳である2号墳へ。
 手前の張り出しが前方部になります。
寺谷2号墳から草刈古墳群をのぞむ
2号墳からは村田川流域が展望できます。対岸の草刈古墳群はどこでしょうか。
寺谷2号墳の埋葬施設  後円部から前方部に移るくびれ部で、埋蔵施設が確認されています。
 まだ掘っていない状態ですが、断面は観察できます。
 棺の跡もはっきりわかります。
現場見学会遺物展示会場  次は古墳から出土した遺物の展示ブースへ。
 3号墳出土の直刀2本を中心に、土師器・須恵器やパネルなどを展示しました。
村田川流域の古墳パネル  ふだん生活している場所に、多くの古墳があることを知って、地元の方々は驚いていました。
寺谷3号墳出土の直刀を観察  直刀を見て感心する人々。
 展示の目玉になりました。
考古学少年  土器や須恵器に見入る考古学ファンの少年も。
お疲れ様でした  お開き。
 おかげさまで盛況のうち幕を閉じることができました。
 皆様、お疲れ様でした。