小学6年生が職場体験にやって来ました


 7月1日、国分寺台の小学校から6年生3名が職場体験に来てくれました。
 最近、センターの施設見学にも来てましたので、「埋蔵文化財」とはどういったもので、「どうして遺跡を発掘調査しなければならないのか」など、より詳しく業務内容を説明してから実際の作業を体験してもらいました。素材は、遺跡から出土した本物の土器と古代瓦です。
 

注記作業
 白のポスターカラーと細い筆で注記します。黒い紙で練習してから本番へ。
 国分寺台ということで上総国分尼寺跡(遺跡調査番号002)出土の古代瓦に書いてもらいました。遺物に注記しておかないと、出土した遺跡や地層がわからなくなることが伝わったでしょうか。
注記作業2
 伝統的な筆による注記の後に、最新式のインクジェットプリンターでの注記作業も体験しました。「昔は大変だったんですね」の感想。「昔・・・・」。
拓本1
拓本2
 続いては、石碑の文字などを写し取るときにも使われる技術、拓本(たくほん)を体験。
 魚拓と違い、遺物が汚れないように、まず画仙紙という薄い和紙を濡らしながら貼ります(水色の棒はスポンジ)。立体的にうまく貼れています。  
拓本3
拓本4

 ほどよく乾いたところで墨を打ちます。上総国分尼寺跡から出土した本物の軒丸瓦です。
 大きなタンポで墨の濃さを調節しながら、同じような濃さになるように文様を出していきます。
 くぼんだ所は白いままにするとコントラストがついて文様が見やすくなります。

拓本5
 拓本をはがしたら、マンガ雑誌などにはさんで、乾かしながらシワをのばします。
 完成した拓本は方眼紙に貼り、遺物注記や色調、特徴を記入してもらいました。ここで改めて注記の意味に気づいてもらえたようです。
作品
 発掘調査報告書にそのまま掲載できそうな作品が完成しました。作品は記念に各自、持って帰ってもらいました。

 職場体験に来た皆さん、お疲れ様でした。埋蔵文化財調査センターがどういう仕事をするところなのか、実際に作業することでより深く理解してもらえたと思います。もし将来こんな仕事をしてみたいと感じてもらえたのであれば、うれしいです。
 体験講座などのイベントもありますので、機会があればまたセンターに遊びに(?)来てください。
 
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