平成27年度 いちはら埋文(まいぶん)講座


第7回 
邪馬台国時代と古墳のはじまり

−神門古墳群出現の背景を探る−

    

 12月19日(土)、今年度最後の埋文講座を開催し、89名の方に参加いただきました。年末のお忙しい中、足をお運びいただきありがとうございました。

 前半は、来年3月5日の遺跡発表会で特別講演をいただく、赤塚次郎先生と寺澤薫先生の学説を紹介しながら、古墳時代初めの年代がどのように認識されてきたかという年代観の変遷に触れ、古墳と土器の形の変化について概説しました。
 昭和40年代には弥生時代後期の人物と思われていた卑弥呼が、今や古墳出現前夜、庄内式期に活躍していたと位置づけられ、前方後円墳のはじまりと接点を持つと考えられるに至った、という研究の流れを説明しました。
 後半には、市原の円形墳墓、小田部古墳神門古墳群を理解するには、古墳と土器の系統の不整合が問題となること、そして、築造前段階に見られる北陸南西部系と東海西部系の移住者の痕跡から推定できる若狭湾−伊吹山麓−伊勢湾という経路に注目する必要性を強調しました。また、このような長距離移動がこの時期に限って起きた背景については、気候の寒冷化がきっかけの一つだったのではないか、という仮説も示しました。

 

第7回会場の様子

会場の様子

第7回関連ミニ展示
展示の様子  展示解説シートはこちら(PDF:0.7MB)
美濃西部多条沈線
伊吹山南麓・美濃西部に多い文様(小田部古墳出土高杯裾部)


 最後になりましたが、今年度の各回に参加いただいた皆様、ありがとうございました。
 全7回に参加してくださった、袖ケ浦市のI・Tさん(姓・名)、市原市のK・Mさん、K・Sさん、S・Kさん、S・Jさん、S・Sさん、N・Kさん、N・Tさん、H・Kさん、H・Hさん、M・Mさんの11名の皆様、改めて厚く御礼申し上げます。
 来年度のいちはら埋文講座にもご期待ください。

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