平成26年度 いちはら埋文(まいぶん)講座


第1回 いちはらの最古の貝塚とムラ

 5月24日(土)第1回埋文講座を開催しました。
 例年参加者があまり多くない初回ですが、今年は54名と市内外から定員を超える方にお集まりいただき、特に初参加や市外からの方が多くいらっしゃいました。日頃からホームページも良くご覧いただいているようです。

 今回のテーマは「いちはら最古の貝塚とムラ・天神台遺跡」。
 一昨年度の遺跡発表会、昨年度の特別展に採り上げた遺跡です。市内では最古・唯一、全国的にも珍しい縄文早期の大規模貝塚、そして早期と前期のムラの発掘調査から何がわかったか。また、昨年1年をかけておこなった、その後の調査成果も披露しました。展示遺物は初公開のものばかり、ほぼ完形の関山式土器や古墳主体部から見つかったという「謎の石製ペンダント」などに注目が集まっていました。
受け付けの様子
初回にもかかわらず、続々と来場される方々。初参加の方も多く見受けられました。
 今年度最初の講座ということで、冒頭にセンター所長よりご挨拶。今年のテーマは「国分寺台の遺跡」、全国屈指の内容をもつ国分寺台の遺跡群に焦点をあて、全9回にわたって縄文時代から奈良・平安時代までその代表的な遺跡を紹介し、調査研究の最新情報をお伝えします。最終回には関連遺跡の現地見学会も予定していますので、ご期待ください。 
講座の様子
講座の様子。用意した席は、ほぼ満席状態。熱心にメモをとる方もいらっしゃいました。
ミニ展示
展示解説シートはこちら(PDF:340KB)

エントランスホール ミニ展示の様子

 「天神台遺跡」の報告書刊行後の整理作業で、新たに見つかった遺物、いずれも初公開資料です。6月10日までは展示予定ですので、この機会に是非ご覧ください。
ミニ展示の様子

縄文前期前葉の「関山式」土器の見事な出来栄えに注目が集まっていました。

関山式の深鉢
波状口縁をもつ見事なプロポーション、そして器面の大半に付けられた細かい縄文と洗練された文様モチーフは、まさに関山式の「逸品」です。
謎の石製品
謎の石製ペンダント
 大きさ8.9×4.0cm、材質は滑石製で濃い緑色です。両端がやや尖り扁平なかたち、表面には線刻と両端に計4箇所の穴があけられ、おそらく「ペンダント」に使われたとみられます。出土位置は古墳の主体部ということですが、その造作は極めて「縄文的」です。その正体はいかに、謎が残る遺物です。

 次回のテーマは「編組(へんそ)の世界から探る縄文のムラ」です。
 6月14日(土)開催です。ぜひお越しください。

上総国分尼寺跡 上総国分尼寺跡 南中台遺跡 荒久遺跡 祇園原貝塚 南田瓦窯跡群 神門墳丘墓群 上総国分僧寺跡 上総国分僧寺跡 荒久遺跡 南中台遺跡