遺跡ファイル

鎌倉時代後期以降 南中台遺跡 みなみなこんでえ
棺に用いられた常滑大甕
 海岸平野に面した台地上、上総国分僧寺と尼寺の中間点に位置します。古代の集落遺跡なのですが、常滑大甕の蔵骨器を埋納した土壙墓が1基のみ発見されました。常滑大甕の蔵骨器は付近に数例認められますが、集石が確認されているのは本遺構のみです。
 甕は6b型式で、13世紀第4四半期の生産品と思われます。遺体と一緒に古銭が3枚発見されています。甕を埋めた真上には礫が敷き詰めてあり、付近からカワラケも出土しているようです。
 中世前期における葬送儀礼の一形態を示す興味深い事例です。発掘調査報告書が刊行されましたので、詳しくはそちらをご覧ください。