遺跡ファイル

古墳時代中期後半 石奈坂1号墳 いしなざか
 養老川中流域の標高37m程の河岸段丘上にあります。
 周囲には大小の古墳が9基あり、石奈坂古墳群を構成しています。
 このうち、平成23年(2011)に調査された1号墳は群中最も大きい古墳で、墳丘の直径が33mあり、墳形は周囲が改変されていますが円墳と考えられます。
 墳丘中央付近の現表土下80cmほどから埋葬施設が2基発見されています。
 この埋葬施設は、墳丘の中心にあるものを主体部B、北側に位置するものを主体部Aとして調査しています。
石奈坂1号墳全景
石奈坂1号墳遠景
 この2基は主軸が北東-南西方向でほぼ並行していますが、規模の違いや位置関係、土層の状況などから主体部Bが最初の被葬者と考えられます。
 主体部Aからは、銅鏡(同向式神獣鏡)1面、玉類(勾玉1、管玉3、棗玉2、小玉1)、鉄製太刀2振、鉄鏃12本以上、鎌刃1点、刀子とみられる鉄製品1点が、主体部Bからは、鉄剣2本、その内の一本に装着された金銅製三輪玉2点、鉄製工具類2点、鉄鏃本数未確認、砥石1点、管玉1点が出土しています。
 このうち銅鏡は市内34例目の出土ですが、市内最大の大きさもあって話題を呼びました。
石奈坂1号墳鏡出土状況
主体部A遺物出土状況(中央が銅鏡)
石奈坂1号墳三輪玉出土状況
主体部B金銅製三輪玉出土状況