遺跡ファイル

奈良・平安時代 坊作遺跡 ぼうさく
 遺跡は上総国分尼寺跡北東に接した台地上にあります。国分寺台地区の開発によって、1975年から77年にかけて発掘調査を実施したした。上総国分寺造営を契機に発展した集落です。国分僧寺に接する荒久遺跡は僧寺造営・運営に関わった施設と思われますが、本遺跡も同じように尼寺の附属施設と考えられています。ただし荒久遺跡が少なくとも11世紀まで集落運営された可能性が高いのに対し、本遺跡は10世紀中葉には廃絶しているようです。
 出土遺物も荒久遺跡と同様に、奢侈性の高い、あるいは特殊なものが多く見られます。奈良三彩小壺や、「法花寺」(尼寺)関係、「大里」「海上厨」「市原」「山邊郡」などの郡名・郷名、「造寺」など多種多様な墨書土器が特筆されます。

『市原市文化財センター研究紀要V』 1995年
『坊作遺跡』 上総国分寺台遺跡調査報告VI 2002