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更新日:2012年3月12日
本日ここに、平成23年第2回市原市議会定例会を招集し、当面する諸案件につきまして、ご審議をいただくにあたり、私の市政運営に対する所信の一端を申し述べ、議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
まずもって、3月11日に発生いたしました東日本大震災により、犠牲となられた方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、被災されたすべての皆様に、心からお見舞いを申し上げます。
国民の誰もが、かつて経験をしたことのないマグニチュード9.0という巨大地震と、それに伴う大津波は、多くの方々の尊い命を奪い、住まいや仕事、かけがえのない家族や大切な故郷までも奪いました。更には、世界を震撼させた原発事故をも引き起こしました。大地震、大津波の直後から連日報道された痛ましい情景は、まぶたに焼き付いて離れません。
本市でも、石油コンビナートにおいて、大規模な爆発事故が発生し、1,300人にも及ぶ市民の皆様に避難をお願いいたしましたが、この際、市の情報伝達や避難誘導などに混乱が生じたところもあり、市民の皆様には、不安とご迷惑をおかけしたものと深くお詫び申し上げます。
私は、あの爆発を目の当たりにして、世界有数のコンビナート群を身近に抱える本市において、日ごろからの危機管理の重要性を痛感いたしました。
加えて、地震による交通や通信の麻痺、長期の停電、大津波や原発事故など、市民の安全を確保するため、あらゆる災害を想定した対策を、何をおいても構築しなければならないとの思いを強くしたところでございます。
今、大震災の教訓を生かして私たちがなすべきことは、一刻も早く安全・安心なまちを築き、子や孫の明るい未来へとつなげていくことではないでしょうか。
今こそ、市民生活に一番身近な行政にかかわる私たちが一致団結し、しっかりとした政策を進めていかなければなりません。
今回の選挙において、市民の信託を得て議席を獲得されました36名の市議会議員の皆さん、ご当選誠におめでとうございます。心からお祝いを申し上げます。
私も、市民の皆様のご支援により、三たび、市政の舵取りを務めさせていただくことになりましたが、今回8年ぶりの選挙を通じて、様々なご意見、ご提言、そして厳しい苦言も数多くいただきました。
大震災における避難対応をはじめとした危機管理のあり方、市の顔となる五井駅周辺などの地域の活性化、過疎化問題、交通の不便性、子育て・教育、老後や健康への悩みなど様々な問題や不安の声。
短い選挙期間ではありましたが、私はこの間、一歩立ち止まって市民の皆様の声をつぶさに伺い、これまでの取り組みや、今、本市が置かれている状況など市政全体を、そして私自身を、改めて見つめ直すことができたものと思っております。
長期の景気低迷、急速な少子高齢化など、もとより危機的な状況にある社会経済情勢に、追い打ちをかけるように発生した大災害、そして未だ収束の見通しがつかない原発事故。
このような困難な時代だからこそ、市民協働のもと、この市原を元気にしていくことが何にもまして重要でございます。
未曽有の国難に直面する中で、市民の負託を受けたものとして、子どもたちの笑顔のため、市民の幸せのために、私は市長として、全身全霊を捧げる覚悟をもって、この重責を果たす決意でございます。
議員の皆さん、更なる市民福祉の向上と市原市発展のため、共に歩みを進めていこうではありませんか。
私は、3期目の市政運営を進めるにあたり、緊急対策と3つの施策を提唱させていただくものでございます。
はじめに、緊急対策といたしましては「東日本大震災を教訓とした危機管理の強化」でございます。
今回の大震災を教訓に、防災体制のあり方を抜本的に見直すため、庁内に防災対策検討会議を設置したところでございますが、今後いかなる災害の際にも、市民の皆様のかけがえのない命、そして安全・安心な暮らしが守れるよう、危機管理を徹底し、万全の対策を講じてまいります。
具体的には、災害の際の初動体制として、迅速な避難誘導体制の確立と的確な情報伝達が重要であることから、市、関係機関、企業、そして市民一人ひとりが、今自ら何ができるかを考え、それぞれの役割と情報の収集・共有化の手法等を再確認し合い、地域に応じた新たな防災体制を早急に構築してまいります。
併せて、避難などの際、子ども、高齢者、障がい者などへの迅速かつ適切な支援ができるよう、市民の皆様にも参画を求めながら、身近な地域の見守り・援護の体制づくりを進めてまいります。
また、災害の際には、人命の確保が第一です。未来の宝である子どもたちの安全を守るため、学校施設の耐震化につきましては、引き続き他に優先して集中的に実施するとともに、消防庁舎、橋梁など公共施設の耐震化の推進、病院や大規模店舗の耐震診断、木造住宅の耐震改修への支援を拡充し、まち全体の耐震性と安全性を高める取り組みを更に加速させてまいります。
特に、市役所庁舎につきましては、多くの市民が利用する施設であり、指揮命令及び復興の本部となるべき役割が、非常に重要であると、このたびの大震災の経験から認識を強くしたところでありますので、喫緊の課題として、新庁舎建設を含め根本的な耐震対策の検討を進めてまいります。
救急体制につきましては、今回、生命の危機にもかかわる重大な爆発事故が発生したところであり、医療機関との連携を更に密にし、重篤な患者へも、より迅速に対応するため、本市への救命救急センターの設置をこれまでにも増して県に強く働きかけてまいります。
また、消火活動や人命救助の要となる消防局、消防団の人材育成、必要資機材の拡充を図るとともに、広域的な大規模災害にも対応するため、現在、石油基地を抱える全国66の自治体に相互応援協定の呼びかけをしているところであり、県、近隣市町村はもとより、全国規模での連携強化を進めてまいります。
更に、長期化が懸念される原発事故に伴う放射線や電力不足の影響につきましては、市民に健康への不安を生じさせ、また地域経済へ大きな混乱をもたらす事態となっております。
市民の不安解消のため継続的な環境モニタリングを行うとともに、安全・安心の確保と経済の停滞を防ぐために万全の措置が講じられるよう、国県等に対し必要な要請をしてまいります。
次に、この4年間集中して取り組むべき3つの施策について、私の考えを申し上げます。
第1は『安全・安心に暮らせるまち実現』でございます。
安全・安心な暮らしは、すべての市民の願いであると考えております。東日本大震災を踏まえた防災対策の強化につきましては、先に申し上げましたように早急な対策を講じてまいります。
防犯対策につきましては、地域の自主防犯パトロールなど市民の皆様のご協力により、犯罪件数は大幅に減少いたしましたが、ひったくりの多発など、まだまだ市民の不安は絶えません。
より安全・安心な市民生活を確保するため、自主防犯組織への支援拡充や防犯カメラの増設などを行い、犯罪のない安心して暮らせるまちづくりを更に推進してまいります。
健康、医療、介護に関しましては、自らの不安として、また、支える家族の負担としても、誰もが直面する大きな問題であり、本格的な高齢社会に突入した今、保健・福祉施策の一体的かつ総合的な取り組みは不可欠でございます。
この7月1日から24時間年中無休で医療や福祉、子育てなどの総合的な相談を行う「いちはら健康・医療相談ダイヤル24」を開設いたします。これにより、病気などの際、安心して受診できる体制を整え、高齢者や子どもを抱える家庭の不安解消を図るとともに、救急車や救急病院の適切な利用にもつながるものと考えております。
今後も、市内全域への小域福祉ネットワークの設置、介護サービスの充実などを進め、高齢者も障がい者も誰もが安心して暮らせるまちの実現に向けた取り組みを推進してまいります。
第2は『個性輝く活力に満ちたまち実現』でございます。
今回の選挙を通じて、市民の皆様から「買い物が不便になった」「働き口がない」など厳しい地域経済の現状について、切実な訴えを数多くいただきました。
活力ある地域と経済は、まち自体の活気や魅力を生み出す源であり、元気なまちづくりへの原動力となるものでございますので、市民、企業等との協働のもと、地域資源を最大限に生かした農業・商業・工業・観光の振興に引き続き力を注いでまいります。
とりわけ、市の顔づくりとしての都市交流拠点整備と、市原の個性を生かした観光振興は、本市全体への波及効果などの面からも重要であると考えております。
五井駅前東地区の土地区画整理区域内では、総合公園の整備、商業店舗の出店も進み、またプロムナードを舞台として、今年度から新たに実施する(仮称)上総市原まつりは、市民の誇りとなり、市外からも来訪者を呼び込めるイベントとなるよう計画を進めております。
一方、西口では、基幹道路である都市計画道路五井駅前線の一部が開通し、全面開通の見通しもついてまいりました。
今後も、サンプラザ市原のリニューアル、駅東西口の駅前広場整備などに、しっかりと取り組み、更に商業者、関係事業者等と連携しながら、閉店したイトーヨーカドー市原店の空き店舗の活用も含め、まち全体の活性化に向けた取り組みを進めてまいります。
また、地域活性化への大きな足掛かりとなる首都圏中央連絡自動車道(仮称)市原南インターチェンジが、平成24年度中には開設されると伺っております。
この好機を逃すことなく、インターチェンジ周辺へのバスターミナル整備や道路・交通ネットワークの充実を図るとともに、(仮称)南市原アートフェスティバルの開催や観光拠点とのネットワーク化を進め、首都圏、全国を見据えた戦略的な観光振興を進めてまいります。
第3は『子育て・教育一番のまち実現』でございます。
子どもは未来、地域の宝です。明日の明るい社会を築いていく人材の育成こそ、今、私たち大人の責任として何にも増して取り組まなければなりません。
このことは私が市長就任当初から訴えてきたことであり、この実現に向け、子育て4か条の精神を基本に、様々な施策に力を注いできたところでございます。
人として必要な思いやりや、しっかりとした生活態度を身につけ、お互い様の心をもって生きていくことが何よりの基本であり、地域や学校をはじめ、市民すべてがそのために手を取り合って活動していけるようになることが私の願いでございます。
今年度、市内全域でタウンミーティングを実施し、市民の皆様とともに策定する(仮称)次世代育成支援推進条例をはじめ、全小学校区域の放課後児童健全育成事業の実施、子ども医療費助成の中学校3年生までへの拡大、小中一貫教育の推進など様々な取り組みを通じて、家庭・学校・地域が総がかりで子どもを守り育てる意識・環境づくりを更に進めてまいります。
本市は、平成25年に市制施行50周年を迎えます。昭和38年の市制施行以来、先人たちが築いてきた本市の都市としての成長を土台として、更に次の時代を見据えて、今、私たちがしっかりとした市政を構築していかなければなりません。
私の最大の目標は、市民の皆様とともに策定した改訂市原市総合計画に基づき、その都市像である「ともに輝く 元気なふるさと いちはら」を実現することにほかなりません。
そのため、この4月からスタートいたしました第3次実施計画「勇輝いちはら」に掲げた施策を着実に具現化してまいります。
今回の大震災を受け、本市が進めるべき事務事業の円滑な執行にも大きな影響が及ぶものと考えられますが、「市役所は最大のサービス産業」という意識を一層強く持ち、歳入歳出の徹底した見直しや職員の意識改革と資質向上を図ることにより、財源確保と効率的な行政経営を進め、着実な施策の推進を図ってまいります。
私も市役所のトップとして、引き続き強いリーダーシップを発揮し、企業の誘致や投資の誘導、特定財源の確保を図るため、国・県、企業への一層のセールスに取り組んでまいります。
以上、市政運営について、所信の一端を申し上げましたが、もちろん、私一人の力でこれらを達成させることはできません。
今、東日本の各被災地の復興に向かって立ち上がっている人々の支えになっているのは、「困った時はお互い様の精神」「支え合い、助け合いの心」という、古来の日本の良き精神文化です。そして、このお互いの支え合い、助け合いの気持ちが、「家族の絆」「地域の絆」「日本人の絆」となって、具体的で、幅広い支援活動として結実しています。
本市においても、行政の対応として、職員の被災地派遣や避難者の生活支援などを実施し、市民の皆様には、義援金や支援物資の提供、積極的なボランティア活動の展開など、温かい心を届けていただきました。
被災した地域の方々の様々な「絆」が、「がんばろう東北」「がんばろう日本」の掛け声を生み、それが全世界にこだまし、時代の閉塞感で未来に展望の開けない私たちに、勇気と希望を与えてくれました。
この「絆」こそが、苦境を乗り越え、地域福祉、防犯活動、子育て・教育、環境保全など様々な施策を推進する時の大きな力になるものでありますので、私は、今後も家庭や地域における、より強固で広範な「絆」づくりに全力で取り組んでまいります。
議員各位におかれましては、ともに明日の市原市を築き、それを次世代へと引き継いでいくために、より一層のご支援、ご協力をお願い申し上げ、私のあいさつとさせていただきます。