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更新日:2012年4月11日
(平成23年2月18日)
本日ここに、平成23年第1回市原市議会定例会を招集し、当面措置を要する諸案件をご審議いただくにあたり、私の市政運営に対する所信の一端を申し述べ、議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
平成15年6月に、市民の皆様の負託を受けて、市長に就任して以来、早いもので8年が過ぎようとしております。
この間、私は、かけがえのないふるさと市原が、やすらぎと活力にあふれ、子どもから高齢者まで、すべての市民が、心から「住んでよかった」「住み続けたい」と感じ、そして市外の方にも「住みたい」と思っていただけるよう、全身全霊を傾け、市政に取り組んでまいりました。
とりわけ、市民生活に直結する「地域で支え合う福祉施策の推進」「子育て支援と責任ある教育の推進」「環境にやさしい持続的発展可能な社会の構築」「市民が安全・安心して暮らせるまちの実現」「地域経済の活性化」「行財政改革の推進」「市民によるまちづくりの推進」の7つを政策課題と捉え、改訂市原市総合計画のもと、スピード感を持って、選択と集中による施策展開を図ってきたところでございます。
改訂市原市総合計画の中間地点を過ぎた今、本市の現状を見ますと、議員各位をはじめ、市民の皆様とともに築き上げてきた多くの成果により、少しずつではありますが、目標とするまちの姿が着実に形になりつつあると感じております。
一方、我が国の現状に目を向けますと、失われた20年とも言われる長きにわたる景気の低迷、そして、急速に進む高齢化、人口減少と、世界でどの国も経験したことのない難局に直面しております。
経済は、ここに来て一部企業の収益改善など明るい兆しも見られますが、長期化するデフレ脱却への道筋は見えず、個人所得の減少や超就職氷河期とも言われる厳しい雇用環境など、依然先行き不透明な状況にございます。
本市におきましても、都市交流拠点における新規商業施設の出店遅延やイトーヨーカドー市原店の閉店に象徴されますように、地域経済や市民生活に深刻な影響を及ぼしております。
このような状況のもと、本市歳入の根幹をなす市税収入は大幅に落ち込むとともに、扶助費をはじめとした社会保障関連経費の増大などにより、投資的経費の縮減を余儀なくされ、一部には実施を見送った事業もございました。
また、地方分権への流れは一層加速度を増し、地域主権の考え方のもと、地方自治体の役割と責任はますます拡大し、自立への取り組みは急務となっております。
このように、本市を取り巻く環境は一段と厳しさを増し、積み残した事業や今後新たに取り組むべき課題も山積する中、これからの道のりは、決して容易なものではないと思っております。
しかしながら、何としても「元気なふるさといちはら」を実現しなければなりません。これは、すべての市民の願いであり、私に課された使命として、身を賭してやり抜く覚悟でございます。
もちろんこの実現は、私一人の力だけで叶うものではなく、みんなで知恵を出し合い、互いに汗を流し、そして思いを分かち合ってこそ、明るい未来を切り拓いていけるものであります。
これまで、私は、さまざまな機会を通じて「絆」の大切さについて、申し上げてまいりました。これは、私が市政を運営してきた中で、今の社会に欠けているものは何か、市民にとって幸せを感じ、本当に暮らしやすいまちになるためには、何が必要なのかを自らに問いかけ、深い信頼に基づく、人と人とのつながりの大切さを心の底から実感したからに他なりません。
今日、社会問題となっている高齢者の所在不明、老老介護を苦にした痛ましい事件、そして無責任な親による育児放棄、児童虐待は後を絶ちません。このような報に触れるたびに、何とかできないものかと胸が裂かれる思いがいたします。
お互い様の気持が希薄化し、様々な問題が顕在化する現代社会、無縁社会とも呼ばれる状況を変えていくには、人と人、親子、家族、地域それぞれの「絆」を深め、支え合い、助け合う温かい心をもって、地域力を高めていくことが、何にも増して重要ではないでしょうか。
私は、心豊かな社会の原点となる「絆」づくりを政治信条の大きな柱に据え、揺るがぬ信念とリーダーシップのもと、元気ないちはらの実現に邁進してまいります。
議員各位をはじめ市民の皆様、この困難な時代を一緒に、勇気を持って切り拓いていこうではありませんか。
このような思いのもと、今年度は、改訂市原市総合計画の目指す都市像「ともに輝く 元気なふるさと いちはら」の実現に向けた第3次の実施計画の策定に全庁一丸となって取り組み、このたび、平成25年度を目標とする新実施計画「勇輝いちはら」を策定いたしました。
「勇輝いちはら」では、第1次・第2次の実施計画での取り組みをさらに熟成させるとともに、遅れている施策につきましては、その問題点を洗い出し、着実に進めることにより、すべての市民の確かな満足感につなげてまいります。
また、本市は、計画目標年の平成25年に、市制施行50周年を迎えます。先人が築いてきた歴史を振り返るとともに、今を生きる私たちの姿を見つめ直し、次の時代へとつなげていくための大切な節目であると考えております。
そこで、成熟した魅力ある都市とするため、未来を見据えた施策を示すとともに、今あるものを磨き上げるという視点を今まで以上に強く持ち、「成長と熟成」の両面から積極的にまちづくりを進めてまいります。
「熟成」という新たな視点は、これまで培ってきた有形無形の資産を最大限活用し、本当の豊かさとは何かを見つめ直す、大きな契機になるものと考えております。
これらを踏まえ、来年度からの3箇年に重点的に取り組むべき施策の方向として、4つの項目を柱に据えました。以下、具体的な内容について申し上げます。
1点目は、「子育て支援と責任ある教育の推進」でございます。
子どもは未来の宝です。子どもたちの明るい笑顔、元気な声は、地域に活力を与え、そして、将来への夢と希望を感じさせてくれます。
このため、私は、子育て4か条を提唱し、市原の子は市原で育てるとの強い思いを持って、子育て一番のまちづくりに全力で取り組んでまいりました。
しかしながら、子育てに不安や負担を感じている保護者はまだまだ多く、学校現場では、子どもたちのさまざまな問題行動が生じております。
そこで、「(仮称)次世代育成支援推進条例」を制定し、家庭・学校・地域が総がかりで子どもを守り育てる意識の醸成を図り、地域の力で育てられた子どもたちが、大人になっても、このふるさと市原の地で子育てをしたいと思えるようなまちを創ってまいります。
併せて、安心して子どもを産み、育てることのできる環境づくりを推進するため、全小学校を対象とした放課後児童クラブの設置や中学校3年生までの医療費助成を実現するとともに、保育所や家庭的保育の充実などによる待機児童対策に力を注いでまいります。
また、本市の独自施策として実施しております少人数授業や読書教育の推進、スクールカウンセラー制度の充実などにより、引き続き、心と体の健康と確かな学力の向上に取り組み、新しい時代を力強く生き抜く人づくりに努めてまいります。
さらには、計画的な学校建設や耐震改修により、快適で安全な学校環境の創出を図るとともに、加茂地区の小中一貫教育校においては教育環境の整備という面にとどまらず、魅力ある教育システムを提供し、子どもたちの可能性を伸ばす、きめ細やかな教育を推進してまいります。
2点目は「地域で支え合う福祉と安全・安心な生活の確保」でございます。
本市の高齢化率は、現在21パーセントであり、超高齢社会への対応は急務であります。また、障がいを持つ方も年々増加しており、誰もが住みなれた地域で安心し、自立して暮らせる社会づくりをさらに進めなければなりません。
現在、福祉施策を横断的につなぐ地域福祉計画「いちはら支え合い福祉プラン」に基づき、22の区域において小域福祉ネットワークが立ち上がり、高齢者の見守りなど地域の実情に即した活動が始まっております。
引き続き、地域や関係団体との協力・連携を密にしながら、全市域における小域福祉ネットワークの設置を強力に進めるとともに、災害時要援護者への支援など、新たな施策にも取り組み、「絆」づくりを進める要として、積極的に展開してまいります。
また、我が国の発展を支えてきた、多くの団塊の世代の方々が定年退職を迎えられました。私は、長年培ってこられた経験、知識、技術を是非とも、地域で発揮していただきたいと願っております。今後とも、地域活動や社会貢献などを通じて、生きがいを持ち、元気に地域で活躍していただけるよう、「(仮称)南部保健福祉センター」の整備を推進するとともに、「(仮称)生涯学習センター」を設置するなど、活動の場や学びの機会の充実を図ってまいります。
防犯対策では、地域、関係機関が一体となった様々な取り組みにより、私が市長に就任した当時に比べ、犯罪件数は半減するなど、目に見える成果が表れております。しかしながら、昨今、ひったくりなどの身近な犯罪が増加していることから、さらなるパトロールの強化や防犯カメラの増設などを進めてまいります。
3点目は「個性ある観光の振興と地域経済の活性化」でございます。
政府は、強い経済を政策の大きな柱として掲げ、新成長戦略の中で観光立国を位置づけております。今や観光は、地域振興のみならず、経済的波及効果などの面からも都市間競争に打ち勝つための、重要な手段になっております。
日本の縮図、千葉県の縮図とも称される本市は、多くの方々を魅了する、磨けば光る潜在的なパワーを数多く有しております。
そこで、平成24年度中に供用が予定されております、首都圏中央連絡自動車道の効果を最大限に活用し、インターチェンジ周辺でのバスターミナル整備と併せ、水と彫刻の丘を基点としたアートイベントなどの取り組みや、自然、農業、ゴルフ場、小湊鐵道など地域資源を生かした個性ある観光振興に力を注いでまいります。
また、都市交流拠点の形成につきましては、五井駅前東土地区画整理区域内におきまして、民間商業施設の立地も進んできており、平成24年度には、市原市総合公園も完成いたします。
今年からプロムナードで実施する(仮称)上総市原まつりなどの効果を生かすとともに、サンプラザ市原のリニューアル、駅前広場や基幹道路の整備などを進め、市原商工会議所等との連携のもと、中心市街地としてまちの活性化に努めてまいります。
市の顔づくりを進めるこの先導的プロジェクトは、本市の未来のため、何としてもやり遂げる決意であります。
さらに、これまで強力に進めてまいりました地産地消の推進や企業誘致など、農業・商業・工業の振興に引き続き力を注ぎ、雇用の創出や地域経済の活性化に努めてまいります。
これらの取り組みは、それぞれの地域の活性化や振興にとどまらず、相乗効果による大きなうねりとなって、市内全域へと広がり、必ずや市勢の発展につながるものと確信しております。
4点目は「快適な生活環境と生活を支える交通環境の整備」でございます。
道路や上下水道、土地区画整理などの都市基盤につきましては、未来の子や孫たちへ引き継ぐ財産として、より高い効果が見込まれる事業を厳選し、集中的に実施することで、着実に整備を推進してまいります。
併せて、市制施行以来、整備してまいりました公共施設の多くが、近年、老朽化してきており、加えて、耐震対策も急務となっております。今ある財産をより長く、有効に利用するため、計画的な改築・修繕を進めてまいります。
また、「市原市交通マスタープラン」に基づき、誰もが多様な交通手段を快適に利用できる環境づくりを進めるとともに、交通ネットワークの充実により、各地域の特性を結びつけ、全市域の活性化につなげてまいります。
以上4点の重点施策について申し上げましたが、このほか、環境の分野につきましても、地球温暖化などへの対応として、新エネルギーの利用促進やごみの減量化と再資源化などに取り組み、持続発展可能な資源循環型社会の実現を目指してまいります。
私は、これらの施策の推進にあたりましては、不断の行政改革を実行していくことが、何よりも大切であると考えております。
そこで、計画、財政、行政改革の各分野連携のもと、「市原市新行政改革大綱(第5次)」を推進し、簡素で効率的な行政経営はもとより、住民サービスの向上や職員の資質向上、協働の領域の拡大など、市民との信頼関係に基づく確かな市政運営を進めてまいります。
また、行政課題に迅速かつ的確に対応するため、部門間連携の強化を図るとともに、来年度からスタートする新実施計画「勇輝いちはら」を確実に推進するため、観光振興課の新設等、組織機構の見直しを行います。
次に、平成23年度市原市予算案の概要につきまして、ご説明いたします。
冒頭にも触れましたが、本市を取り巻く社会経済情勢の先行きは不透明であり、財政運営は依然として厳しい状況が続くことが想定されます。しかしながら、このような状況にあっても、市民の皆様にとって、活気のある暮らしやすいまちを創っていかなければなりません。
そこで、予算編成にあたりましては、「新実施計画への重点的な対応」「市原市新行政改革大綱(第5次)の確実な推進」を基本に、「子育て支援と責任ある教育の推進」「誰もが安心して住める地域環境づくり」「本市の特色を生かした地域経済の活性化」の3つの戦略的な視点をもって、一事業でより多方面へ効果が及ぶ事業を厳選し、成果重視の予算編成を行うことといたしました。
このような考え方のもと、平成23年度予算案につきましては、
一般会計 853億5,000万円
特別・企業会計 567億8,920万円
総予算規模 1,421億3,920万円
とし、前年度当初予算に比べ、一般会計で3.8%、特別・企業会計で4.5%、総予算規模で4.1%の増と、元気ないちはらづくりに向けて、積極的な対応を図りました。
それでは、一般会計予算案の概要をご説明いたします。
はじめに、歳入について申し上げます。市民税につきましては、法人分が外需の伸びや国の施策の効果などにより持ち直してきたことから、前年度当初予算額に対し37.4%の増を見込むとともに、個人分も1.7%の増を見込み、併せて7.5%増の193億9,900万円を計上いたしました。
また、固定資産税につきましては、土地・家屋は、本年度と同程度の額を見込むものの、償却資産では、企業の設備投資の減少などにより、全体では0.8%減の236億7,000万円を計上いたしました。
市税全体といたしましては、前年度当初予算額を2.7%上回る485億4,000万円を計上いたしました。
特定財源の中で、一番のウェートを占めます国庫支出金につきましては、子ども手当費、生活保護費などの大幅な歳出増に伴いまして、15.3%増の137億6,500万円を計上いたしました。
その他、地方譲与税をはじめとした経常的財源や県支出金などの特定財源を加えても、歳出に見合う財源の不足が見込まれますことから、その対応といたしまして、財政調整基金の取り崩しを15億円行うとともに、将来の健全な財政運営を検証した上で、臨時財政対策債17億円を発行することといたしました。
次に、歳出につきましては、新実施計画「勇輝いちはら」の初年度として、その推進を図るため、これまで以上に選択と集中に力点を置き、政策課題など積極的に取り組むべき事業に対し、重点配分を行いました。
以下、改訂市原市総合計画の5つの「まちづくりの基本的方向」に沿って、新規事業や充実を図った事業を中心にご説明いたします。
1点目の「ともに支えあうまち」では、支え合い・助け合う地域社会の構築を推進するとともに、地域に密着した保健医療サービスの充実を図るため、(仮称)南部保健福祉センター建設事業、地域福祉推進事業、老人福祉施設整備費補助事業、重度障がい者特別支援事業、子宮頸がん・小児用肺炎球菌・ヒブワクチン接種事業、合葬墓整備事業、健康・医療相談ダイヤル24事業など、新規事業5件、充実を図る事業11件を含む主要66事業、126億7,000万円を計上いたしました。
2点目の「ともに育むまち」では、地域で安心して子どもを産み、育てることのできる環境の充実を図るとともに、子ども一人ひとりが輝く教育を推進するため、子ども医療費助成事業、認可外保育施設関係補助事業、小中一貫校開設事業、(仮称)千原台第二中学校建設事業など、新規事業8件、充実を図る事業13件を含む主要86事業、135億200万円を計上いたしました。
3点目の「ともに培うまち」では、地球温暖化防止や循環を基調とした社会の形成を目指すとともに、緑あふれる都市環境の創出を図るため、福増クリーンセンター第二工場基幹改良事業、市原市総合公園整備事業、公園施設リフレッシュ事業、緑のカーテン事業など、新規事業11件、充実を図る事業1件を含む主要32事業、15億5,200万円を計上いたしました。
4点目の「ともに創造するまち」では、交通環境の充実や都市基盤整備の着実な推進を図るとともに、犯罪の発生防止対策や災害に強いまちづくりを進めるため、橋りょう長寿命化計画策定事業、既存建築物耐震改修等促進事業、下水道施設長寿命化事業、新たな交通空白地域対策事業、地域公共交通活性化協議会事業など、新規事業13件、充実を図る事業7件を含む主要103事業、86億6,100万円を計上いたしました。
5点目の「ともに成長するまち」では、魅力ある観光振興に努めるとともに、元気な農業・商業・工業を推進するため、有害獣対策事業、特色ある商店街づくり事業、水と彫刻の丘改修事業、(仮称)上総市原まつり実施事業、農商工観連携促進事業、サンプラザ市原利用促進事業など、新規事業10件、充実を図る事業6件を含む主要61事業、30億4,200万円を計上いたしました。
その他、特別・企業会計につきましては所要の額を計上いたしました。
なお、詳細につきましては「当初予算案の概要」を、また、予算案の全体につきましては、「平成23年度市原市予算」をもって説明に代えさせていただきます。
最後になりましたが、昨年は、「ゆめ半島千葉国体」及び全国障害者スポーツ大会「ゆめ半島千葉大会」が開催され、本市でも、サッカー、ラグビーフットボール、クレー射撃の会場として、連日熱戦が繰り広げられました。
この大会では、実行委員会を中心として、小中学生や各種団体、多くのボランティアの方々に、全国からいらした選手やお客様を温かい笑顔とおもてなしの心でお迎えいただき、大きな成功を収めることができました。ご尽力をいただきましたすべての方々に、心からお礼を申し上げます。
この成功は、まさに「ゆめ・感動・絆」の実践であり、市民力、地域力の賜物でございます。元気づくりの源となるこの機運をあらゆる施策へと広げてまいります。
地域づくりの主役は、このまちにかかわるすべての皆様でございます。「地域のことは地域が主体的に決定する」という地域主権の時代をリードする自立都市を、市民の力、地域の力を結集し、築いていこうではありませんか。
私は、市民の皆様、議員各位との信頼関係を深めるとともに、職員一丸となり、子や孫たちの世代に引き継いでいける、やすらぎと活力あふれる「元気なふるさといちはら」の実現に向け、全力で取り組んでまいります。
以上、私の市政運営に関する基本的な考え方と平成23年度予算案の概要を申し上げました。
その他、提案いたしました諸議案につきましては、お手元に配布いたしました提案理由書をもって説明に代えさせていただきます。
議員各位におかれましては、ご審議の上、可決くださいますようお願いいたします。