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史跡上総国分尼寺跡復元回廊ができるまで

更新日:2014年2月20日

はじめに

平成5年度から文化庁の「地域中核史跡等整備特別事業(ちいきちゅうかくしせきなどせいびとくべつじぎょう)」として、回廊(かいろう)の復元事業を開始しました。
平成5年度から6年度にかけては設計や材料の調達・加工が行われ、7年度から8年度にかけて遺構盛土の上に復元回廊を建設しました。
復元工事は、現存する古寺(こじ)や遺跡を参考に奈良時代の建築様式を再現し、古代の建築技法を用いて行いました。

復元建物の建築材

96本の回廊の柱は、樹齢100年以上のヒノキ(木曽桧)を使い、材の結合部として強度を要する大斗(だいと)にはケヤキ、耐水性を要する部分にはヒバを使っています。
柱を支える礎石は、上総国分僧寺の礎石(そせき)を参考に、蛇紋岩(じゃもんがん)にしました。直径が約60センチメートルから70センチメートル、厚さは約30センチメートルあります。
現在、房総の蛇紋岩(じゃもんがん)は切り出されていませんので、秩父(ちちぶ)産のものをしました。

ひかり付けによる礎石と柱の据え付け

礎石の凹凸(おうとつ)に合わせて柱の接合部分を削って合わせる方法を「ひかり付け」といいます。石の表面に赤い粉をかけ、柱を乗せます。
凹凸(おうとつ)が合わない所は赤い粉が付き、そこを削って調整するという作業を何度も繰り返します。

内法長押とヤリガンナ作業

古代の寺院建築は、()き構造(柱と直交する方向の部材の組み合わせ)に特徴があります。
内法長押(うちのりなげし)は、柱の上で柱間をつなぐ横材のこと。
今回、木材の仕上げには槍やりの穂先に似たヤリガンナ(写真右)を使って仕上げました。

虹梁を架ける

いよいよ屋根を支える組物(くみもの)が柱の上に載ります。
まず柱の頭に大斗(だいと)を置きます。大斗(だいと)は屋根の重みがかかるため、堅いケヤキで作ってあります。
次に虹梁(こうりょう)が載ります。虹梁(こうりょう)は虹のように上方に反っていますが、これは水平な直線とするよりも力強い感じを見るものに与えます。
梁が下に垂れ下がって見えなくする視覚効果を持ち、寺院建築の特徴の一つでもあります。

回廊を支える四隅の虹梁

回廊はコの字型の建物が対称となった形で、金堂(こんどう)(仏像の安置されたお堂)と中門(ちゅうもん)を囲んでいます。そして、折れ曲がるコーナー部分は建物の構造上大変重要な部分です。
回廊の隅を見上げると斜めに虹梁が載っていて、これを隅虹梁(すみこうりょう)といいます。蟻継(ありつ)ぎという組み方で建物の強度を増しています。
これら虹梁(こうりょう)の上には、手と手を合わせた形のような叉首(さす)、そして肘木(ひじき)棟桁(むなげた)が載ります。

古代の窓(連子窓)

回廊の外側は壁が回り、内側は柱の列が並びます(このような回廊を単廊(たんろう)という)。
直径30センチメートルの柱が96本使われ、梁行(はりゆき)(注釈1)1(けん)(注釈2)、桁行(けたゆき)(注釈3)が25間の規模となります。
壁には古代の窓である連子窓(れんじまど)があります。
連子窓に納まっている木を連子子(れんじこ)といい、接合凸部を木づちでたたいて締め、木の復元力で固定する力を強める、木殺(きごろ)しという方法を用いて組んでいきました。

備考

(注釈1)梁行とは、屋根の稜線と直角方向の柱間数をいう。
(注釈2)柱と柱の間を「間」と数える。
(注釈3)桁行とは屋根の稜線と同じ向きの柱間数をいう。

屋根の下地を組む(垂木)

いよいよ屋根を造っていきます。
虹梁叉首(こうりょうさす)上の棟木(むなぎ)と平行の軒桁(のきげた)の間を垂木(たるき)でつなぎます。
垂木(たるき)は水に強いヒバの木を1,000本以上使用しています。
屋根を美しく見せる勾配(こうばい)は、垂木の反り具合で決まり、実物と同じ大きさの型板をあててつくりました。
垂木の上には化粧板(けしょういた)を張り、屋根裏とします。

雨から守る土居葺き作業

屋根の裏板の上には、水に強く桶などによく使われるサワラの薄板をリズミカルにトントンと釘を打っていく「土居葺(どいぶ)き」が施されました。
瓦と屋根の裏板の間にある土居葺(どいぶ)きは、瓦から漏れる雨水などが屋根の裏板まで届かないようにする防水の役目をしています。
土居葺きが終わるといよいよ瓦葺き作業です。
平瓦(ひらがわら)の幅に合わせた瓦桟(かわらざん)が屋根に付けられていきます。

古代の瓦を再現(本瓦葺き)

いよいよ屋根に瓦を()きます。
丸瓦(まるがわら)平瓦(ひらがわら)をはじめ、軒先に使われる蓮華(れんげ)文様の軒丸瓦(のきまるがわら)唐草(からくさ)文様の軒平瓦(のきひらがわら)など合計で44,765枚使用しました。
屋根に載せる前に1枚1枚瓦のゆがみを確認します。瓦は軒平瓦(のきひらがわら)から葺きますが、茅負(かやおい)軒平瓦(のきひらがわら)があたる部分を削って合わせて載せます。
次に平瓦(ひらがわら)を重ねて()き、軒丸瓦(のきまるがわら)丸瓦(まるがわら)、最後に棟瓦(むながわら)を葺きます。

備考

瓦については、こちらのページもあわせてご覧下さい

土壁の構築

漆喰(しっくい)で塗られた土壁(つちかべ)は、芯に杉の板で組んだ小舞(こまい)を古代と同じ縄の縛り方で固定し、荒壁と呼ばれる(わら)スサや砂を混ぜた土を塗り、荒壁の表面には、綾杉文(あやすぎもん)の刻みを入れ、土を均一的に乾燥させ、中塗りがよく食い付くようにします。
最後に塗る漆喰(しっくい)は、貝を粉にした貝灰や石灰岩に和紙や麻の繊維をよく混ぜたものに海藻から煮出した(のり)を合わせて塗りました。

よみがえる彩り(塗装作業)

回廊は中門と同様、顔料(がんりょう)を用いて当時の色を再現しています。
木材の主要な部分に使われている赤い色は第二酸化鉄からとった弁柄(べんがら)と呼ぶ顔料、連子子(れんじこ)の緑色は銅からとった緑青(ろくしょう)、屋根の裏板は白い貝を粉にした胡粉(ごふん)が塗られています。
これらの顔料に牛乳などが原料のガゼイン溶液にとかし、塗っています。
手でこするとはがれてしまうので、絶対に触らないでください。また、衣服などに付くと色がとれませんので見学の際は気を付けてください。

備考

顔料については、こちらのページもご覧下さい

甎敷き作業(古代のタイル・レンガ)

いよいよ完成間近の回廊(かいろう)

中門(ちゅうもん)回廊(かいろう)金堂(こんどう)基壇(きだん)には、土の崩れを防ぐため瓦が積まれます。そして、基壇(きだん)の表面には、瓦と同じ材料で正方形の(せん)と呼ばれる瓦の一種が敷き詰められます。
(せん)も瓦と同じようにゆがみなどをチェックし、布敷きと呼ぶ敷き方で一列ごとに目地(継ぎ目)が食い違うようにして(せん)(せん)を合わせながら作業します。
(せん)回廊(かいろう)で8,833枚、金堂(こんどう)で3,622枚使用しました。

厳かな空間、金堂院(内庭の整備)

中門と金堂、回廊で構成される部分を金堂院(こんどういん)ともいいます。
回廊で囲まれた内庭部分は仏地(ぶつじ)ともいい、寺院の中で一番神聖な場所です。
上総国分尼寺跡の仏地(ぶつじ)の面積は、1280平方メートルあり、中央には瓦敷きの参道と高さ2.7メートルの青銅の表面に(うるし)を塗って金箔(きんぱく)をはって仕上げた灯篭(とうろう)を再現しました。
また、須弥壇(しゅみだん)(注釈1)まで再現された金堂(こんどう)基壇(きだん)の面積は579平方メートル、基壇(きだん)の周囲には当時と同様に瓦積みを再現しました。

備考

(注釈1)須弥壇とは本尊(仏像)を安置するために一段高く作られた場所をいう

歴史のまち・いちはらの象徴として(復元建造物の完成)

今回復元した回廊は、中門(ちゅうもん)折れ回り25(けん)東側(ひがしがわ)75.7メートル、西側(にしがわ)76.5メートル、梁間(はりま)1(けん)で3.75メートルの規模を持った単廊(たんろう)で、屋根までの高さは約5メートルです。
また金堂(こんどう)中門(ちゅうもん)と取り付く部分の屋根の勾配の美しさや破風(はふ)に取り付く懸魚(げぎょ)などの細部意匠や古代の釘を使用し、木材のヤリガンナ仕上げを施した復元建造物は、当時の建物の真上に建てられ、天平文化(てんぴょうぶんか)の特徴を私たちに伝えてくれます。

現在、史跡上総国分尼寺跡では、復元された建物と展示館を中心に、文化財に親しむ各種の事業を催しています。

備考

古代の釘などについては、こちらもご覧下さい

関連ページ

史跡上総国分尼寺跡の情報一覧へ

史跡上総国分尼寺跡に関連する情報の一覧はこちらをご覧下さい。

史跡上総国分尼寺跡のご案内へ

史跡上総国分尼寺跡の概要については、こちらのページをご覧下さい。団体見学などのお問合せもこちらへ。

史跡上総国分尼寺跡復元建物の改修工事について

本大震災で被災した史跡上総国分尼寺跡復元建物が、平成25年度装いも新たによみがえりました。

お問い合わせ先

生涯学習部 ふるさと文化課
市原市国分寺台中央1丁目1番地1 第2庁舎9階
電話:0436-23-9853 ファクス:0436-24-3005

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